大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和43年(オ)519号 判決

上告人

川端東

代理人

西村金十郎

被上告人

日本コロムビア株式会社

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人西村金十郎の上告理由第一点、第二点について。

民法四五七条一項は、主たる債務が時効によつて消滅する前に保証債務が時効によつて消滅することを防ぐための規定であり、もっぱら主たる債務の履行を担保することを目的とする保証債務の附従性に基づくものであると解されるところ、民法一七四条ノ二の規定によつて主たる債務者の債務の短期消滅時効期間が一〇年に延長せられるときは、これに応じて保証人の債務の消滅時効期間も同じく一〇年に変ずるものと解するのが相当である。そして、このことは連帯保証債務についても異なるところはない。これと同一の見解に立つて上告人の消滅時効完成の抗弁を排斥した原審の判断は正当であつて、所論引用の大審院判例は本件と事案を異にして適切でない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(大隅健一郎 入江俊郎 長部謹吾 松田二郎 岩田誠)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例